エコキュートとは?
「エコキュートって、どういう仕組みでお得なの?」
「電気代が高い時代に、電気でお湯を沸かす給湯器って効率的なのかな?」
エコキュートが再び大注目を浴びるなか、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな疑問を解消しつつ、エコキュートが叶える節約情報をお届けします。
2023年、家庭用給湯器「エコキュート」の補助金が13年ぶりに復活しました。エコキュートの新規設置でも、買い替えでも、1台あたり5万円を受け取ることができるチャンスです。電気温水器やガス給湯器と比較しながらエコキュートの仕組みに関する知識を身につけましょう!
エコキュート | 従来の電気温水器 | ガス給湯器 | |
お湯を沸かすエネルギー | 空気中の熱+電気 | 電気 | ガス |
お湯を沸かす仕組み | ヒートポンプ | 電熱ヒーター | ガスバーナー |
エコキュートの最大の特徴は、お湯を沸かす仕組みが「ヒートポンプ方式」であることです。この方式は、空気中に存在する熱を利用して効率的にお湯を供給するため、非常に少ない消費電力で済みます。
夜間のお得な電気料金プランで、深夜に貯湯タンクに貯めた水を沸き上げ、さらにお得にお湯を沸かすことができます。
また、エコキュートに使用されている冷媒は、もともと大気中に存在する「自然冷媒(CO2)」なので地球環境にも優しい仕組みです。
エコキュートの仕組み
エコキュートは、「貯湯ユニット」と「ヒートポンプユニット」の2つの機器で構成されています。
ヒートポンプユニットが「エアコンの室外機」と似ていると気づいた方も多いと思います。実は、エアコンもエコキュートも、同じヒートポンプ方式によって熱交換を行っているんです。
ヒートポンプユニットでお湯を沸かし、沸かしたお湯を貯湯タンクに溜めるのがエコキュートの流れとなります。
エコキュートは2つの機器を一緒に設置するため、ガス給湯器よりも広いスペースを確保する必要があります。最近では狭いスペースでも設置しやすいスリムな商品も出ているので、置く場所がないと諦めていた方も、専門業者に現地調査を依頼してみることをおすすめします。
ヒートポンプユニットでお湯を沸かす仕組み
エコキュートでお湯を沸かすとき、熱エネルギーが高い物体から低い物体へ移動する「熱移動(熱伝導)」が利用されています。お湯を沸かす際、ヒートポンプ内では以下のようなプロセスが行われています。
- 空気中の熱エネルギーをヒートポンプに取り込む
- 取り込んだ熱を自然冷媒(二酸化炭酸)に移動させる
- 温められた自然冷媒を圧縮することでさらに高温化させる
- 熱交換器で、高温になった冷媒から水へと熱を伝えてお湯にする
- 膨張弁で冷媒を低圧・低温にして再び空気の熱を吸収しやすい状態にする
貯湯タンク内には、下部に「水」、上部に「お湯」が、分かれて入っています。同じタンクにお湯と水が入っていたらぬるくならないの?と不思議ですが、中間には「湯水混合層」という境があり、密度が異なるお湯と水が混じり合うことはありません。
エコキュートでお湯を沸かすメリット
出典:令和4年度エネルギーに関する年次報告 (エネルギー白書2023)
家庭におけるエネルギー消費のうち、約3割を「給湯」が占めているのをご存知ですか?節電のためのアクションを起こすなら、「給湯」の見直しが効果的です。
そこで、他の給湯器よりも省エネ性が高いエコキュートをおすすめします。エコキュートならではのメリットを3つ続けてご覧ください。
1.空気の熱を利用するから消費電力量が少ない
エコキュートの一番の特徴は、空気中の熱を利用して効率的にお湯をわかす「ヒートポンプ方式」を利用している点です。
ヒートポンプ形式なら、従来の電気温水器に比べて約1/3の消費電力量でお湯を沸かすことができます。
2.電気代が安い夜間電力を使用
エコキュートの省エネ性を活かすには、夜間の電気料金の安い時間帯にお湯を沸かすことがポイントです。夜間に沸かしたお湯を貯湯タンクに溜めておくことで、いつでも電気代を気にせずにお湯を使用できます。
ただし、夜間に電気料金が安いプランは、昼間の電気料金は割高に設定されています。割高な時間帯に沸き増しをしなくていいように、適切な湯量を沸き上げるようにしましょう。
3.大気中にある二酸化炭素を利用するから環境にやさしい
エコキュートは自然のエネルギーを効率的に活用してお湯を沸かすので、従来の給湯機よりも環境への負荷を減らすことが可能です。
国は、2030年度のエネルギー需給目標(温室効果ガスの削減を46%)の達成に貢献することを目的として、エコキュートのうち省エネ基準をクリアした機種に対して補助金を出す「給湯省エネ事業」交付申請受付を2023年3月より開始しました。
エコキュート1台あたり5万円の補助金が出るので、買い替えや新規導入はいまが狙い目です。補助金の予算に達し次第、交付申請の受付を終了となります。早めの行動がおすすめです。
エコキュートの仕組みを活かした節約術
節約モードを有効活用
通常時は、お湯使用状況を自動で学習する「節約モード」(各メーカで名称が異なります)に設定しておき、最適な湯量をムダなく沸かしましょう。
お湯を使う量がいつもより増減する場合は手動で設定
お客さまが泊まりに来るときは前日に沸き上げ湯量を増やしたり、旅行で家を空ける期間は沸き上げ休止モードにしたりと、臨機応変に設定しましょう。
割安な夜間の電力の使用を徹底する
ピークカット機能で、割高な時間帯のお湯の沸き上げを停止しましょう。電力会社によって夜間電力の開始・終了時間が異なります。初期設定のままにせず、各社の電力プランに応じて設定を見直しましょう。
定期的なメンテナンスの重要性
エコキュートは高省エネ・高性能の給湯器。そのため、ランニングコストが安い反面、初期費用が高額です。なので、エコキュートは少しでも長く使うことで、よりお得になるといえます。
自分で行う日常のメンテナンスだけでなく、専門業者による定期点検もきっちり受けましょう。
エコキュートの使い方に関するよくある質問
Q.お風呂のお湯が冷めた時、追い焚きと高温さし湯はどっちが得?
A.冷めたお湯の一部を捨てて、「高温さし湯」をするのが一番お得です。
この方法ですと水道代がもったいなく感じるかもしれませんが、割高な時間にお湯を温める電気代がかかりません。
なぜなら、既に貯湯タンクに入っているお湯を高温のまま使うため、電気を使ってお湯を温める必要がないからです。
一方、「追い焚き」は貯湯タンクに通じた循環パイプを使用してお湯を温めるため、冷めたお湯が温まるまでに時間がかかる上、その間に浴槽のお湯が冷めていきます。
Q.ランニングコストを抑えるには、沸き上げ温度は何度がおすすめ?
A.適切な温度設定は季節によって異なります。一般的には春夏秋は50℃、冬は60℃が効率的です。
水温が高い季節は、湯温が設定温度よりも高く沸き上がってしまうことがあります。その場合、設定温度通りのお湯にするために大量の水が消費されてしまいます。
逆に、水が冷たい季節は、貯湯タンクから蛇口に到達するまでに湯温が下がってしまったり、どうしても混合水栓の設定よりもぬるい温度のお湯が出てきます。
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