給湯温度を高くすると節約になるって本当?
じゃあ沸き上げ温度も高くしたほうがお得なのかな…
50℃と60℃どっちがいいか教えてほしい!
このような疑問をお持ちではありませんか?給湯温度が高いほうがお得だなんて、なんだか不思議ですよね。
しかし実際、ほとんどのエコキュートメーカーや水栓メーカーが、給湯温度を約50〜60℃に設定することを推奨しています。
この記事では、給湯温度を高温にしたほうがいい理由と具体的にどうすれば良いのかをわかりやすく解説します。理屈がわかれば、すぐにでも給湯温度を設定し直したくなることでしょう。
エコキュートの温度設定とは?
エコキュートの温度設定には、以下の4つがあります。
(1)給湯
(2)沸き上げ
(3)浴槽へのお湯はり
(4)サーモスタット混合水栓の温度調節ハンドル
このうち(3)と(4)は実際に使用するお湯の温度ですが、(1)と(2)は温度管理のための設定です。
「給湯温度で設定した温度が、そのまま蛇口から出てくるんじゃないの?」
と、驚かれる方も多いでしょう。この誤解されがちな「温度管理のための設定」について、わかりやすくご説明します。
給湯温度とは
「給湯温度」とは、シャワーや蛇口から出てくるお湯の温度を指します。しかし、実際にシャワーや蛇口から出てくるお湯の温度は、設定した給湯温度よりも低くなります。
その理由は主に2つあります。
(1)貯湯タンクから配管を経由してお湯が供給される過程で、お湯が冷めてしまうため。
(2)サーモスタット混合水栓がお湯と水を混合し、温度を調整する仕組みであるため。
これらの理由から、給湯温度は、使用したいお湯の温度を上回る設定が必要となる「温度管理のための調整」であり、給湯温度通りのお湯で吐水されないことは大前提なのです。
沸きあげ温度とは
「沸き上げ温度」とは、エコキュートのヒートポンプユニットが沸き上げるお湯の温度を指します。沸きあげられたお湯は、高温のまま一旦貯湯タンクに蓄えられます。
給湯の温度設定は50℃〜60℃が最適
季節などにもよりますが、お湯が貯湯タンクからシャワーや蛇口まで運ばれてくる間に、約3℃〜5℃下がると言われています。
「それでは実際に使用したいお湯の温度+3℃で給湯温度を設定すればいいのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、給湯温度を実際に使用したい温度より、+ 10℃高くすることで得られるメリットがあるのです。給湯温度は高めがおすすめの理由をご覧ください。
理由(1)お湯のロスが減って節約につながる
貯湯タンクから給湯するお湯は、吐水口にたどり着くまでに冷たい配管に熱を奪われ、冷めてしまいます。
給湯温度を高めに設定する事により、配管が早く温まって、適温になるまでに捨てていた湯水が無駄になりません。
蛇口をひねってお湯がでるのを待つ、あのわずらわしい時間も短縮できるため、より快適にお湯をお使いいただけるでしょう。
理由(2)シャワーや水栓から出るお湯が安定する
サーモスタット混合水栓は、温度の変化により伸び縮みする形状記憶バネにより、お湯と水を混ぜて適温のお湯を作る仕組みです。
給湯器の設定温度が低いと、お湯に対して混ぜる水の流量が極端に少なくなります。その結果、サーモスタット機能が正常に動作せず、吐水温度が安定しにくくなります。
実際に、エコキュートのメーカーや水栓のメーカーが推奨している給湯温度は、50℃〜60℃です。取扱説明書に従って、給湯温度は高めに設定し、必要に応じて手元の水栓で温度を調整しましょう。
参考:一般社団法人日本バルブ工業会 知ってなるほど 水栓の話
理由(3)湯量が増えるからシャワーなどが快適になる
サーモスタット混合水栓は、温度調節ハンドルの目盛りが指す設定温度に合わせて、貯湯タンクにためられた高温のお湯に水を混ぜて吐水温度を調整します。
給湯温度を高く設定すれば、その分、温度調節のためにより多くの水が必要となります。その結果、給湯温度を高く設定するとお湯の総量が増加し、シャワーや蛇口からの水圧が強くなるのです。
給湯温度は季節にあわせて節電する
水道管からの給水温度は、一年を通して一定というわけではありません。サーモスタット混合水栓は、お湯と水を混ぜる仕組みですので、季節の影響で水の温度が変化し、「温度調節ハンドルで設定した温度」と「吐水温度」が一致しなくなることがあります。
「使いたい温度」で快適にお湯をご使用いただくためには、季節に合わせた給湯温度の調整が必要です。
夏は50℃設定で節約
夏季には給湯温度の設定を50℃にすることで節電効果が上がります。夏は気温が高いため、貯湯タンクや配管からの放熱ロスが少なくすみます。
さらに、サーモスタット混合水栓でお湯に混ぜる水の温度が冬よりも高いため、給湯温度を50℃に設定すれば十分です。
冬は60℃設定で節約
一方、冬季には給湯温度の設定をより高い60℃にすることで節電効果が上がります。
冬は気温の低さから、貯湯タンクや配管からの放熱ロスが夏よりも多いです。また、冬季はサーモスタット混合水栓でお湯に混ぜる水がとても冷たいため、給湯温度の設定を60℃まで上げないと吐水温度が下がりすぎてしまいます。
とくにシャワーは、水の一粒一粒が空気に触れて急速に冷めてしまうので、給湯温度が低いと快適に使用することができません。
そのため、給湯温度を適切に上げることで、エネルギーの節約を実現しつつ快適なバスタイムを楽しむことができます。
沸き上げの温度設定は下げすぎないようにする
エコキュートは、一日に必要な湯量をまとめて沸かす「貯湯式」の給湯器。夜間時間帯に安い電気料金プランを利用して、経済的にお湯を沸き上げます。
もし沸き上げ温度の設定が低すぎると、貯湯タンク内のお湯が早く冷めてしまい、湯きれのリスクが高まります。湯きれすると昼間時間帯の割高な電気が消費される「沸き増し」が必要となり、経済的ではありません。
さらに、貯湯ユニット内のお湯が冷たくなると、「高温たし湯」や「追い焚き」が行えなくなる問題も生じます。
エコキュートには、使用傾向を自動で学習し、適切な沸き上げを行う「おまかせ」機能が搭載されています。この機能を活用して、エコキュートの節約効果を最大限に引き出しましょう。
エコキュートの温度調整を工夫して賢く節約しましょう
まとめますと、エコキュートの節約効果を最大限に発揮するには、うまく温度設定をすることが重要です。
そのためのポイントは、以下の3つ。
(1)給湯温度の設定:気温・水温を考慮して季節に応じた給湯温度に設定しましょう。
(2)お湯の温度は手元で調節:給湯温度は高めに設定しておき、手元の水栓で快適な温度に調節しましょう。
(3)わき上げ温度はおまかせ機能を活用:賢い機能で、湯きれや無駄な電力消費を防ぎましょう。
これでエコキュートの温度調整はばっちりです。しかしながら、エコキュートを購入するとして、多種多様な機種からどれを選ぶか悩みますよね。
そこで、私たちファーストコールでは、プロの経験をもとにエコキュート選びからサポートを提供しています。
ご家庭ごとのお湯の使用状況やライフスタイルに合わせたご提案を行っておりますので、エコキュートの導入を検討している方は、是非ともお気軽にご相談ください。
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