
「エコキュートは昼間に沸かす設定にもできるって聞いたけど、どうやるのかな?」

「昼間に沸かすメリットって、何があるんだろう?」

「メーカーごとの設定の違いや、注意点が知りたいな」
このような疑問をお持ちの方に向け、今回はエコキュートで昼間に沸かす設定について詳しく説明します。沸き上げを昼間に設定するときの注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。
エコキュートで昼間に沸かす3つのメリット
エコキュートは、家庭内で使うエネルギーを電気に一本化したオール電化住宅で多く使われます。オール電化住宅向けの電力プランは夜間電力がお得になるものが多いため、沸き上げも夜間に行うのが一般的。エコキュートで昼間に沸かすとどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
消費電力を抑えられる
太陽が昇っている昼間は気温が上がるため、夜間と比べて水の冷たさも和らぎます。水温が高ければ沸き上げの消費電力を抑えられますし、冷え込みの影響も受けにくいため、貯湯タンクで保温中のお湯も冷めにくくなるでしょう。
沸き上げと保温の両方の消費電力を抑えられるのが、昼間に沸かすメリットの1つです。
保温時間を短縮できる
深夜に沸かしたお湯は、夜間よりも朝に使われるのが一般的。ときには一晩保温することもあるため、その間の電気代がかかります。昼間にお湯を沸かせば、多くお湯を使う夜までの保温時間が短縮でき、電気代を抑えられるのもメリットです。
太陽光発電を活用できる
太陽光発電システムがあれば、エコキュートとの連動で昼間の沸き上げに余剰電力を使えます。余剰電力とは、太陽光発電システムで発電した電力から、家電などで使用する自家消費電力を引いたもの。余剰電力は電力会社に売却して収益化できますが、固定価格買取制度(FIT)で決められた10年間経過後は、売却価格が下がりやすいです。
剰電力を利用して昼間にお湯を沸かせば、FIT期間が終了した後も太陽光発電システムを幅広く活用できるでしょう。
エコキュートで昼間に沸かす設定は3種類

エコキュートははじめ、夜間に沸き上げをする設定になっています。昼間に沸かす設定にするなら、次の中から1つを選びましょう。
- 昼間シフトの設定
- ピークカットの設定
- 電力制度の設定
どの方法も異なる特徴がありますので、昼間の沸き上げを検討している方はぜひ参考にしてください。
昼間シフトの設定
昼間シフト設定とは、太陽光発電システムの余剰電力を使用する設定です。発電量の多い昼間に集中して沸き上げを行い、夜間は沸き上げる量を減らします。
太陽光発電システムは天候に大きく左右されるため、明日の天気を確認してから、毎日設定するのが効果的。毎日の設定が負担なら連日の設定もできますので、使いやすさに合わせて選びましょう。
ピークカットの設定
ピークカットの設定とは、電力使用量が多いピークタイムに沸き上げをしないようにする設定のこと。契約している電力プランを参考に基本料金が高くなる時間帯にピークカットを設定し、ピーク時の消費電力を抑えます。
ピークカットの設定時間帯に湯切れしても、自動で沸き上げしません。お湯の使用量が多いときは、注意しましょう。
電力制度の設定
電力会社の契約プランに合わせて、お得な時間帯に沸き上げしたい場合は、電力制度の設定を使用します。リモコンで、メニューの初期設定画面から電力契約設定画面に移動し、各電力プランを選べば設定可能です。
時間帯によって料金が変わるプランを契約していない場合は、沸き上げ時間のマニュアル設定もできます。合わせたい時間帯が決まっている場合は、こちらを試しましょう。
エコキュートで昼間に沸かす設定にするときの注意点

エコキュートは比較的詳細な設定がしやすいため、希望に合わせて沸き上げ時間を変えられます。昼間に沸かして効率よく給湯したい場合、次の3つのポイントに注意しましょう。
太陽光発電が必要かどうか確認する
太陽光発電システムの余剰電力を使う「昼間シフトの設定」は、太陽光発電システムがないと利用できません。太陽光発電システムがない場合は、ピークカットの設定か電力制度の設定のどちらかを選択しましょう。
生活スタイルを考えて設定する
エコキュートの設定を変えるときは、まず自分たちがどの時間帯に多く電力を使っているかを考えます。昼間の沸き上げ設定は消費電力を抑え、太陽光発電システムの効率も上がります。しかし共働き世帯など夜間に集中的に電力を使う場合は、夜間電力メインのプランで湯沸かしも行った方が電気代を抑えられるでしょう。
一方、在宅勤務がメインで昼間の電力消費量も多い場合、太陽光発電システムを利用して昼間シフト設定を利用した方が効率よく給湯できます。エコキュートの沸き上げを変えるときは、それぞれの生活スタイルを考えて適切な時間帯を選択しましょう。
電気代が高くなることもある
太陽光発電システムを利用して昼間に沸かす設定にする場合、天候によっては十分な発電量が得られないときもあります。太陽光発電システムは、十分な発電量が得られれば自家発電した電力を使用し、不足したときは電力会社から購入した電力で補う仕組みです。
どの程度電気代を抑えられるかは、その日の天候や電気の契約プランで変わるため、設定によっては電気代が高くなることもあるでしょう。昼間シフトの設定を効率よく利用するなら、翌日の天候に合わせて毎日設定するのが最適です。都度設定するため手間はかかりますが、状況に応じて選択しましょう。
エコキュートで昼間に沸かすときのメーカーごとの設定
エコキュートで昼間に沸かしたいときは、メーカーごとの手順に従った設定が必要です。なお、今回ご紹介する設定は太陽光発電システムの搭載が前提です。代表的なメーカーの設定について、それぞれ見ていきましょう。
パナソニック
パナソニック製のエコキュートは、「ソーラーチャージ」機能を使って設定します。ソーラーチャージとは夜間の沸き上げ量を減らし、減らした分を翌日の太陽光発電システムからの余剰電力を使って沸き上げる仕組みのこと。
リモコンによる手動設定のほか、スマートフォンのアプリや専用のAI機能を使った設定もできます。翌日の天気と余剰電力をAIがチェックし、夜間と昼間への沸き上げを自動で分散できるので便利です。
参考 | Panasonic「ソーラーチャージ」
日立
日立製のエコキュートは、リモコンで「太陽光発電利用沸き上げ」を設定します。翌日の天気予報に合わせて昼間の沸き上げ時間を設定するほか、季節に応じた気候や発電量を考慮した設定も行えます。
また、雨天であった予報が外れて晴天になったときも、当日の沸き増し設定ができるため、安心して使用できるでしょう。
参考 | HITACHI「太陽光発電利用沸き上げ」
三菱
三菱製のエコキュートは、「お天気リンクEZ」を使っての設定です。お天気リンクEZはリモコンではなく、スマートフォンにインストールした専用アプリを使用します。インターネットを経由して天気予報を自動取得し、晴れの日と雨の日それぞれで発電量と余剰電力の使用状況を自動で切り替え可能です。スマートフォンのアプリを使うため操作もしやすく、一度設定すればAIが自動的に判断してくれるのでストレスなく使えます。
参考 | 三菱電機「お天気リンクEZ」
ダイキン
ダイキン製のエコキュートは、リモコンからの手動で「昼間シフト設定」を設定します。メニューから昼間シフト設定を選び、1日だけ沸かすか連日昼間に沸かすかを設定。沸き上げ開始時刻を選択し、決定すれば完了です。
エコキュートは昼間の湯沸かしも利用して上手に活用

エコキュートで昼間に沸かすメリットを最大限活用するなら、太陽光発電システムと組み合わせて使うのがおすすめです。太陽光発電システムはあるけれど、エコキュートに連動機能が備わっていない方は、ぜひこの機会に買い替えを検討しましょう。
エコキュートの買い替えは、条件に合えば給湯省エネ2025事業の補助金を利用可能です。昼間に沸かす設定でさらに効率よく給湯できるエコキュートが気になる方は、ぜひファーストコールへお気軽にご相談ください。お客様のライフスタイルに合わせた、ぴったりの1台をご提案いたします。