
「エコキュートのエア抜きって何のこと?」

「はじめてのエア抜きは不安があるけど、どうやってすればいいんだろう」

「定期的なエア抜きが必要って聞くけど、もし忘れるとどうなるの?」
長く快適に使い続けるためにも、定期的なエコキュートのエア抜きは欠かせません。エア抜きをせずに放っておくと故障につながり、買い替えのリスクも高まるでしょう。
気になるエコキュートのエア抜きについて、具体的な方法や注意点を解説します。どのタイミングで行えばいいかもわかりやすく解説しますので、エコキュートをお使いの方はぜひ参考にしてください。
エコキュートのエア抜きとは
エコキュートのエア抜きとは、お湯を沸かすヒートポンプユニットと、お湯を溜める貯湯タンクの2つをつなぐ配管に混ざり込んだ空気を抜く作業のこと。配管内は、あらかじめ空気が入り込まないような仕組みになっています。しかしはじめて使用するときや断水でエコキュートを再運転させるときなどに、何らかの原因で空気が入り込むと空気の泡がお湯の循環を妨げてしまいます。
この状況を防ぐために、定期的なメンテナンスの一環として行われるのが、エコキュートのエア抜きです。
エコキュートのエア抜きはいつやるの?

エコキュートのエア抜きは、次の4つのタイミングで行うのが最適とされています。
- エコキュートをはじめて使うとき
- 長期間の運転停止後に再開させるとき
- 定期メンテナンスのとき
- エラー表示がされたとき
エコキュートをはじめて使うとき
最初にエコキュートのエア抜きを行うのは、設置後の初回運転時です。エコキュートを使いはじめる前に、設置時に混ざった空気をすべて抜いて、沸き上げへの影響を防ぎます。設置後のエア抜きは、運転の確認を兼ねて設置業者が行うケースも多いです。ただし対応は業者によって変わるため、念のため確認しておくとよいでしょう。
長期間の運転停止後に再開させるとき
久しぶりにエコキュートの運転を再開させるときも、忘れずにエア抜きを行ってください。長期間運転を停止していたエコキュートは、ヒートポンプユニット内に汚れが溜まっている可能性があり、取り除く作業が必要です。エア抜きで水を抜けば、溜まった汚れも一緒に押し流されます。
長期間使用していない水道を使うときに、しばらく水を出しっぱなしにするように、エア抜きでヒートポンプ内の環境を整えてから使いましょう。
定期メンテナンスのとき
エコキュートは内部に水を取り込んでお湯を沸かすため、内部に少しずつ水垢などの汚れが付着します。配管内に入り込んだ空気だけでなく、放置された汚れが思わぬ不具合につながる可能性もあるため、半年間に1回の定期メンテナンスが必要です。配管内の環境を保ち、故障などのトラブルを避けるためにも、定期的なエア抜きを心がけましょう。
エラー表示がされたとき
エコキュートに何らかの不具合が発生すると、リモコンにエラーコードが表示されます。エラーコードの内容は各メーカーによって異なりますが、エア抜きによってエラーコードが消える場合もあります。エラーコードが表示されたけれど対応方法がわからない場合は、試しにエア抜きを行ってみるのもよいでしょう。
エコキュートのエア抜きのやり方は?

エコキュートのエア抜きは、次の手順で行います。
- ヒートポンプユニットの水抜き栓をすべて開く
- 水と空気が混ざった状態で排出されるのを確認
- 1分以上放置する
- 空気がなくなり水だけになったのを確認してから水抜き栓を閉じる
水抜き栓の設置位置や数はメーカーによって異なりますが、通常はヒートポンプユニットの側面や下部に設置され、数は2〜3個ほどです。誤って水抜き栓を回しすぎると、抜けてしまって故障する恐れがあります。水抜き栓は回しすぎず、ゆるめる程度で水を排出させましょう。
エコキュートのエア抜きをしないとどうなる?
エア抜きをせずに、配管内に空気が残った状態でエコキュートの運転を続けると、お湯の循環を妨げ給湯の効率が下がります。負荷がかかった状態の運転は予期せぬトラブルを引き起こし、故障につながる恐れもあるでしょう。
エア抜きは配管内の空気を抜くだけでなく、ヒートポンプユニット内に溜まった汚れの除去も大切な目的の1つです。ユニット内に溜まり続けた汚れは、やがてフィルターを目詰まりさせる原因になります。フィルターの目詰まりも給湯効率の低下につながるため、定期的なエア抜きを心がけましょう。
エコキュートのエア抜きをするときの注意点

エコキュートは熱湯を沸かす給湯設備のため、エア抜きをするときは安全のために意識しておきたい2つのポイントがあります。特にはじめてエア抜きをする方は、十分注意してください。
熱湯が出る可能性がある
エコキュートはヒートポンプユニットで沸かしたお湯を貯湯タンクに溜め、水道水と混ぜて適温にしたものを供給する仕組みです。そのため貯湯タンク内にお湯が残っている場合や、沸き上げの後だと水抜き栓から熱湯が出る場合があります。万が一熱湯が出た場合に備えて耐熱式の手袋を用意するなど、対策は万全にしておきましょう。
排水経路に配慮する
エコキュートのエア抜きは、水抜き栓から1分間程度お湯(水)を出しっぱなしにします。戸建て住宅であれば、敷地内に排水できるので心配は不要ですが、マンションなどの集合住宅ではベランダや共用部の廊下にエコキュートを設置するのが一般的。ベランダや共用部が水浸しにならないように、事前に排水経路の確認をしておきましょう。もし排水溝が詰まっている場合は、あらかじめ掃除しておくと安心です。
エコキュートのエア抜きに関するよくある質問

メーカーごとに若干の違いはありますが、エア抜きの手順は多くの部分で共通しています。ここからは、エコキュートのエア抜きに関する、よくある2つの質問を見ていきましょう。
エコキュートのエア抜きは自動でできる?
エコキュートのエア抜きは、自動で行うタイプのものもあります。たとえば三菱製のエコキュート(※)は、満水後に電源を入れると自動で配管内のエア抜きを開始。配管内のエア抜き完了後はタンク上部の逃し弁レバーを約1分間上げておけば、タンク上部に残った空気も排出されます。
エア抜き終了後は自動的に沸き上げもスタートするため、定期的なメンテナンスを気にせず楽に使い続けられるでしょう。
参考 | 三菱電機「よくあるご質問 FAQ」
エコキュートのエア抜きにかかる時間は?
手動でエア抜きを行う場合、水を流す必要があるのは約1分間ですので、水抜き栓の場所を把握できていればさほど時間はかかりません。自動でエア抜きを行うタイプのエコキュートでも、約10分程で終了します。
エア抜きは所要時間も長くはなく、手順も難しくはありませんので、エコキュートを長く使い続けるためにも定期的な実施を習慣づけましょう。
定期的なエア抜きでエコキュートを快適に使おう!

エコキュートは、通常の使い方をすれば設置後10年間は問題なく使えるといわれています。定期的にエア抜きを行えば、ヒートポンプユニット内の環境を適切に維持し、毎日の給湯を安心して行えるでしょう。
エコキュートのエア抜きをするなかで、普段とは違う不具合を感じたら、お早めにファーストコールへご相談ください。数多くのエコキュートの修理やメンテナンスを手掛けてきた経験から、エコキュートのお困りごとに迅速に対応いたします。