エコキュートで上手に電気代を節約するには、本体性能だけでなく「使い方」も重要です。
実は、「沸き上げモード」の選択によって電気代を大幅に節約できることをご存知でしょうか?
今回は、お得な沸き上げモードの選び方や、省エネ設定の上手な使い方などについて、分かりやすくお伝えします。沸き上げないときの対処法も必見です。
エコキュートを使いこなして、かしこい省エネ生活を実現しましょう!
エコキュートの沸き上げとは?
「沸き上げ」とは、主に夜間時間帯にヒートポンプユニットでお湯をつくるプロセスのことです。通常エコキュートは、1日に必要なお湯をまとめてつくり、それをタンクに貯めています。
エコキュートはお湯の使用量や使用パターンを学習し、自動で「設定した温度」で「学習から割り出した量」のお湯を効率的につくることが可能です。
ところでエコキュートには「沸き上げ」「沸き増し」「追い焚き」と、似たような言葉の機能がたくさんあります。どれもお湯を沸かす意味合いを持つ言葉ですが、この機能の違いを以下にまとめました。
沸き上げ:日常的に夜間時間帯にお湯をつくって貯湯タンクにためる仕組み
沸き増し:貯湯タンクのお湯が足りなくなったときに、お湯を追加で沸かすこと
追い焚き:ぬるくなった浴槽のお湯を温め直すこと
今回の記事では、「日常的にお湯を沸かし、ためておく機能」である「沸き上げ」についてお話ししていきます。
沸き上げて貯めるエコキュートのしくみ
エコキュートは、空気中の熱を利用してお湯を沸きあげます。
- 空気中の熱を取り込む
- 空気熱交換器にて熱を吸収した自然冷媒(CO2)を圧縮機で高温・高圧にする
- 水熱交換器で自然冷媒の熱を水に伝えてお湯にする
- 自然冷媒を膨張させて低温・低圧にする
このように空気の熱を利用して効率よくお湯を沸き上げるので、電気エネルギーのみでお湯を沸き上げるときの約1/3の電気消費量で済みます。
エコキュートは、翌日に使うお湯を深夜にまとめて沸き上げ、貯湯ユニットにためておくシステムです。そのため、夜間時間帯は割安な電気料金プランの契約で、より節約効果を発揮します。
エコキュートの沸き上げにかかる時間はどれくらい?
エコキュートの沸き上げにかかる時間は、貯湯タンクを満たすまで約7〜8時間かかります。※機種や貯湯タンクの容量、水温や外気温によっても異なります。
以下、主要メーカーにおけるエコキュートの沸き上げ時間をまとめました。
パナソニック
約80℃の湯を、夏期には1時間に約60L、冬期には1時間に約50L沸き上げる能力があります。
約42℃のお湯なら、1時間で夏期には約200L、冬期には約100L分つくることが可能です。
三菱
1時間に約40〜60Lの熱いお湯を沸き上げる能力があります。貯湯タンクが満タンになるまで約7〜8時間かかります。
ダイキン
ヒートポンプユニット4.5kWの条件下で、約80℃の湯を1時間に約50L沸き上げる能力があります。約42℃のお湯なら、1時間で約100L分つくることが可能です。
もっと節約!沸き上げモードの選び方
沸き上げにおける節約の大原則は「電気料金が高い時間帯に沸き増しをしない」「無駄に多く沸き上げない」の2点。
もともとエコキュートには、各ご家庭における1〜2週間分の使用湯量などを学習して「ちょうどいい量」を自動で沸き上げる、かしこい機能が搭載されています。
とはいえ、「両親が泊まりに来る」、「家族が出張で帰らない」といった普段とは違うお湯の使い方をする日もありますよね。そんなときは、沸き上げモードを変更して適切な湯量に設定しましょう。
1. 標準
2. 多め
3. 少なめ
これらのモードを使い分けることで、無駄なくお湯を沸き上げることができます。それぞれのモードが、どんなシーンに適しているか見ていきましょう。
「おまかせモード」で自動で適切な湯量を沸き上げる
「おまかせモード」は、日々の使用湯量(1週間から2週間分)を学習し、最適な湯量を自動的に沸き上げる、通常は最も効率がいいモードです。
パナソニック「おまかせ節約」 (お買上げ時の設定) | ・省エネ推奨モード ・沸き上げ温度は約65〜80℃ |
三菱電機「おまかせ」 (初期設定モード) | ・おすすめの省エネモード ・沸き上げ温度は約65〜85℃ |
ダイキン「おまかせ」 | ・日々の使用湯量を学習して適切な湯量を沸き上げる |
あまりお湯を使わないときは沸き上げ湯量を「少なめ」に設定
お湯の使用が通常よりも少ない場合や、気温・水温が高いときには、「少なめ」の沸き上げ湯量に設定することをおすすめします。
例えば、暑い夏場や出張の予定がわかっている日などは、通常よりもお湯を少なめに沸きあげることで節約できます。
パナソニック | − |
三菱電機「節電モード」 | ・消費電力の削減量の目安を確認できる ・「おまかせ(節電モード切)」より沸き上げ量を抑えて節電 ・「レベル1」・「レベル2」から節電レベルを選べる |
ダイキン「少なめ」 | ・お湯をあまり使わないときにおすすめの設定 |
いつもよりお湯が必要なときは沸き上げ湯量を「多め」に設定
お湯が通常よりも多く必要な場合や、気温・水温が低いときには、沸き上げ湯量を「多め」に設定して湯切れを防ぎましょう。
例えば宿泊予定のお客様がいるときや、寝起きやスポーツ後など、1日に何度もシャワーを浴びる家族がいる場合は「多め」の設定がおすすめです。
パナソニック「おまかせ」 | ・推奨の「おまかせ節約」で足りない時に多めに沸き上げ ・沸き上げ温度は65〜90℃ |
三菱電機「多め」 | ・「おまかせ」ではお湯が足りないとき ・沸き上げ温度は約65〜90℃ |
ダイキン「たっぷり」 | ・「おまかせ」に比べて多めのお湯を自動的に沸き上げ |
沸き上げに関する上手な使い方・設定
※メーカーにより機能名や操作方法が異なります。詳細はお使いのエコキュートの説明書でご確認ください。
お湯を増やす必要がないときは「沸き上げ休止」
家族全員が早めにお風呂を済ませた日や、もうあまりお湯を使う予定がなく、お湯が余ってしまいそうなときは、その時点で沸き上げを止めることができます。
「沸き上げ休止」の設定で、翌日のお湯をつくる夜間時間帯までの無駄な沸き上げをストップしましょう。
パナソニック:「昼停止」
三菱:「わき上げ休止」
ダイキン:「沸き上げ一時休止」
お湯を数日使わないときは「沸き上げ停止設定」
旅行で家を留守にするときなど、お湯を数日間使わないときは、「沸き上げ停止設定」がおすすめです。
パナソニック:「休止設定」
三菱:「停止日数」
ダイキン:「沸き上げ休止設定」
追い焚き機能よりも「高温足し湯」を活用
お風呂のお湯を温め直すときは、「追い焚き」よりも、「高温足し湯」の方が経済的です。
追い焚き(自動保温も)は、お風呂のお湯を循環させて貯湯タンク内の高温なお湯の熱エネルギーを受け取る仕組みです。この方法は熱交換効率が悪く、熱のロスも大きい上、電気代も時間もかかります。
一方「高温足し湯」は貯湯タンク内の高温なお湯を湯船に追加するだけなので、効率的にお風呂のお湯の温度を上げることができます。
ただし高温足し湯は、お風呂のお湯が多いとなかなか温まらないので、お風呂のお湯を少し減らしてから行いましょう。
エコキュートが上手く沸き上げないときの原因と対処方法
原因(1)冬の冷え込み
外気温や水温が低い場合、ヒートポンプユニットの能力が低下することがあります。
沸き上げ時間の制限を解除し、日中の沸き上げで湯切れを防ぎましょう。
原因(2)夜間時間帯のお湯の使用
夜間時間帯にお湯を多く使用した場合、その分タンクからお湯が減るので、朝までに沸き上げが間に合わない場合があります。
できるだけ沸き上げ中はお湯の使用を避けたり、あらかじめ沸き上げ量を増やしたりしておくことをおすすめします。
原因(3)停電による影響
停電があった場合、リモコンの時刻がずれることがあります。正確な時刻を確認してください。また、長時間の停電で沸き上げ時間が足りなかった場合は、沸き増しでご対応ください。
原因(4)水漏れやヒートポンプユニットの故障
水漏れや故障が疑われる場合は、すみやかにエコキュート専門業者に連絡して、点検・修理を受けましょう。
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